• HOME
  • 仕事も変わる

仕事も変わる

ソーシャルフリーランサーへ

イメージ:仕事も変わる

ソーシャルフリーランサー

現在「定年延長」が多くの企業ですすみつつあります。65歳から70歳ということも言われ始めています。これは主に政府主導で社会保障費を受ける側から払う側でい続けてもらいたい、ということから言われています。

ただ大企業を中心に、

  • より若い世代の社員により厚くして行く
  • 40・50代はさらに選別的になってごく一部の残る社員のほかは淘汰されがち

ということも片方の現実としてすすみつつあります。

いずれにしても、なかなか90代、100代まで働き続けるということが一般的になることは容易なことではないとすれば、50・60代以降の「働き方」・「仕事の仕方」をどうしたらいいかは、働く側も企業側もまた社会全体としても考える必要があるといえるでしょう。

その意味で、 50・60代以降90・100代までを通して考えられるのが「ソーシャルフリーランサー」です。基本的には定年ということをひとつの契機としつつ、フリーランスになる、しかしながら、ただのフリーというよりも、より社会参加、なんらかの社会への貢献を考えつつというところです。現役のときのフリーは稼ぐということを考えないといけないわけですが、とくに60代以降であれば、子供が独立して夫婦二人となり、また年金も視野に入って来るため、必ずしも稼がないと家族が露頭に迷うという切羽詰まったものでもなくなるといえます。また朝から夜まで働き続けることが体力的な面からもあまり現実的ではないとすれば、おカネもさることながら、現役時とは異なる働き方が望ましいといえるでしょう。基本的な要素を挙げるとすれば、

  • より主体的な働き方
  • 社会参加、社会的役割、社会的な貢献を考えた働き方
  • 時間的にも体力的にも余裕のある働き方

といえるでしょう。これは「会社の役員」から「登下校の見守りボランティア」までに共通することといえます。

多様な働き方

したがって、ここにはまさに多種多様な働き方があるといえます。
企業で働く人としては

  • そのまま同じ企業で働き続ける
  • そのまま同じ企業で働き続けるが、職種を変える
    より若い社員にノウハウを伝える
    若い社員が働きやすいようにサポートする
    自分のやれる分で目標設定をしてその範囲で貢献する
  • 異なる企業や公的組織で働く
    別の業種または規模の異なる企業で経験を活かす
    NPOや自治体で経験を活かす

また、それ以外の仕事の仕方としては

  • 体力や自分にできることに合わせて同世代や若い世代と協力しながら仕事をする
  • 年金プラス時間の融通のきく仕事をして稼ぎつつ、NPO活動・ボランティアや同世代・若い世代を支える活動をする

などの多様な働き方があります。

考え方の切り替えとそのための研修

基本的には、いままでせっかく培った経験を直接間接にできるだけ活かしたほうがいいということがいえます。反対に、この年代になると、今までのやり方に固執したり、柔軟性がなくなったりすることもあります。また今までの仕事の仕方に改善の必要があったということもあるでしょう。管理職経験者のほうがその傾向があるかもしれません。それを会社や社会のせいにしても仕方がないということもあります。そのための「研修」が必要だといえるでしょう。重要なことは視点の転換です。そのための「アタマの切り替え」・「仕事の仕方の切り替え」・「若い社員への接し方」などの研修がポイントといえます。またデジタルなど新しいスキルの習得も重要です。

ドラッカー教授提唱の社会的なことに従事

別項でもご紹介したドラッカー教授の「高齢社会対応で日本がもう一度世界をリードできる」と言われたのは、大量の団塊世代が社会的なことに従事するような社会になったら、ということでした。それは顕在化されていないだけで、それなりに実現されていると見られます。その社会的なことに従事というのは、ドラッカー教授によれば3パターンあるとされ、会社をリタイアしてボランティアなどをする/仕事とボランティアを半々にする/より社会的なことに従事する(例えば会社の経理部長から病院の経理部長へ)ということを言われました。いずれにせよ、現役リタイア後「社会的なことへ従事」する人たちが続々と生まれる社会は、世界中が高齢化するなかで諸外国のモデルになり得るとされたのです。その意味で、「ソーシャルフリーランサー」は大きな意味を持ち得るといえるでしょう。

力を引き出す雇用の仕方

この年代の特徴はなんといっても経験が豊富なことです。その力をうまく引き出すことが雇用主としても求められます。
とはいえ、高額なギャラを支払うというわけには行きません。ではそうせずに力を引き出す方法はあるのでしょうか。
基本的な手法は
役職と給与の分離
です。つまりそれなりの役職を付与するが、給与はそこそこ、ということです。この年代は、一定の年齢に達すれば年金も出ます。一旦退職金をもらった人もいるでしょう。そこから先は必ずしも高額なギャラを要求したいというわけでもなくなります。
夫婦二人になり多少身軽になるということもいえます。それよりもやりがいや意欲を持って取り組めるかどうかが重要です。そのときに給与はそれほどでなくとも役職が与えられれば、意気に感じて仕事をしよう、できる限りのことをやろうという気になるわけです。

若い世代をサポート 若い世代の意欲向上

ソーシャルフリーランサーとして最も求められるのは、若い世代をサポートするということです。その意味では新しい職種として考えられるのが
メンター
です。若い世代も様々なことで行き詰ります。自分にはこの仕事は合っていないのではないか、という悩みもあり、一方では、大きな仕事を任させれればそれはそれでプレッシャーになるということもあります。それに対して「メンター」が助力をして行くということで、これは経験が生きてくるということがいえます。
また、これに近いこととして、
若者の起業支援
があります。とくに、経理や総務については、それは後回しにして、まずはビジネスを成功させることにシャカリキになるということになりがちですが、そこを経理や総務の経験をもって支えることはビジネス成功にとっても必要なことです。また、起業自体もストレスが溜まりやすいわけで、そこに経験を役立る、あるいしは若者数人で始めた場合に途中から不和が起こるということもあるわけで、その仲介役になるということもあり得るわけです。実際、家具のスタートアップ企業で大手IT企業の役員経験者がメンター(上記)として入って大いに成果を上げた事例があります。
さらに
フリーター・ニートの就業支援
もあります。これについては専門的な知識・方法論も必要なので、それを運営しているNPOに入るというのが最も考え易いでしょう。

企業の業績を向上させる

高齢者雇用について、企業サイドとしては定年延長もあってやむを得ずやらざるを得ない、という面もあろうかと思われます。一方、企業にとってはつねに業績の維持・向上が求められます。その意味では、企業の業績向上のために「ソーシャルフリーランサー」が活躍することが望ましいといえます。さきほど記した「給与と役職の分離」は相対的にローコスト人件費で人材の経験値を活かす方法です。また、メンターや若者の起業支援はそのことで「若い世代の業績向上を生み出す」方法です。やむを得ず雇用延長をするのでなく、いかに人材を有効活用して業績向上に結び付けるか、が求められているといえます。そのためにはさきほど述べた「研修」も必要でしょう。

社会を支える

さらに、今後考えられるのは、50代以上人口がきわめて多い社会になるために、どうその人材を活かしていくかということです。
その意味では現在はまだない「新しい仕事の仕方・働き方」も考えられます。

実際にこれがあり得るかどうかハードルもあると思われますが、例えば、児童相談所のサポートなども望ましいかもしれません。
決定的に担当者が不足している業務にある程度の専門性を研修しつつ、職員をサポートしていくようなことです。人手が不足しているコンビニでは、業務内容を習得した上で、必要な店舗に一日店長で入るというようなこともあるかもしれません。要するに現在人手が不足していたり、社会的必要性に対して十分に陣容が整っているとはいえないるところに、いままでにない職種で、就業期間や就業時間の融通のきくような入り方や仕事の仕方があり得るのではないかということです。それが、これからの「ソーシャルフリーランサー」の力の発揮のしどころではないかと思うわけです。

社会全体にゆたかさと安心感、そして若い世代の意欲と成果の向上をもたらすもの、それが「ソーシャルフリーランサー」といえます。
大量の新しい大人世代がこのような動きをしたときに、これまで誰も見たことのない社会があらわれ、ソーシャルイノベーションが起こる可能性があるのではないか、と思うわけです。