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渋谷が若者の街から若者とともにある新しい大人の街へ

東京全体も新しい大人の街へ

イメージ:渋谷が若者の街から若者とともにある新しい大人の街へ

若者のメッカ渋谷

渋谷はこれまで長い間「若者の街」でした。それは、パルコが1973年に誕生したときに始まったといえるでしょう。それまでは新宿が若者の街でした。フーテンがいて、フォークゲリラが西口広場でうたっていました。カウンターカルチャーとしての若者文化ということもいえます。それに対し、1973年の渋谷パルコは消費文化としての若者の街の始まりでした。そしてその頂点は渋谷109だったといえます。センター街が若者のメッカとなり、ルーズソックスやガングロを生み出しました。

そして、2012年の渋谷ヒカリエの誕生とその後のスクランブル交差点のハロウィンが転機になったといえます。ヒカリエは20-40代の女性が対象の商業施設です。そのようにはっきりとうたっていたにもかかわらず、オープン当日には、東横線・田園都市線沿線の50・60代女性がとくに午前中から昼の時間帯に押しかけました。また、2018年のハロウィンでスクランブル交差点で若者が軽トラックを横転させた騒ぎは地元の商店会も怒りをあらわにする事態となりました。

渋谷が若者とともにある新しい大人の街へ

渋谷は2019年秋に大きくその姿を変えました。2019年11月1日にスクランブルスクエアが誕生し、同じ11月22日にはパルコがリニューアルオープンしました。さらに、12月5日にはフクラスに新しい東急プラザが開業しました。スクランブルスクエアは30~40代を対象に「大人も楽しめる渋谷」をキャッチフレーズとしました。また、パルコはまさに若者の渋谷の発信源でしたが、リニューアルにあたっては年代にこだわらずに新しい文化の発信拠点としています。また、フクラスの東急プラザは初めて明確に40~60代を対象にした大人のための商業施設として開業しました。大人女子がその中心的に期待される来店客といえます。

現在、コロナショックでなかなか厳しい状況が続きますが、少しずつ新しい街の形がみえてくるでしょう。まさに「若者とともにある新しい大人の街」が生まれつつあるということがいえます。

渋谷だけでなく東京全体が新しい大人の街へ

渋谷のみならず、東京全体がいま大きく変わろうとしています。六本木ヒルズが2003年にオープンしたときから始まっています。そのとき、当時の50・60代、とりわけ女性たちが沢山押しかけました。地下鉄日比谷線の六本木駅から50・60代とおぼしき人たちの列ができて身動きができないほどでした。

2002年の丸ビル、2007年の新丸ビルもオープン時には飲食のフロアとりわけ和食の店は50・60代の夫婦二人でいっぱいでした。その後、2010年に日本橋コレド室町がオープンしました。それまで日本橋は三越と高島屋という二大商業施設があり、主に50~70代の比較的保守的な東京の女性たちの街でしたが、コレド室町のオープンにより、江戸文化をいまに活かし、団塊世代から30代OLまでが来る新しい大人の街へと進化しました。その後、コレド室町東街区が出来、2019年にはコレド室町テラスがオープンし台湾の誠品生活日本橋が日本初上陸し、 50・60代で賑わっています。

また、日比谷では2018年に日比谷ミッドタウンがオープンし、映画を中心とするエンタテイメントの商業施設として新しい大人の街となっています。さらに、2019年・2020年には池袋にハレザ池袋が宝塚劇場をコアとしてオープンし、また、2020年、浜松町にはベイエリアにウォーターズ竹芝がオープンしました。ウォーターズ竹芝は四季劇場をコアとしホテルのメズム東京も入ったまさに新しい大人の街となっています。2020年には新型コロナウィルスが猛威をふるい、商業施設にとっても厳しい状況が続いていますが、コロナ終息後は、東京全体が「新しい大人の街」になっているということが見えてくると思われます。商業施設のみならず、代官山はもともとヒルサイドテラスを起点にまさに新しい大人の街といえますし、青山も同様です。また銀座はそもそも大人の街だといえるでしょう。

こうした新旧相まって、東京全体が「新しい大人の街」さらにいえば「若者とともにある新しい大人の街」へと進化して行く姿がこれから見えることになり、かつ、期待されることといえます。