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世界をリードする新しい大人文化・世界が注目する日本の高齢化

ドラッカー教授の遺言

イメージ:世界をリードする新しい大人文化・世界が注目する日本の高齢化

高齢化はグローバルに進行中であり、「若者とともにある”新しい大人文化”」は世界をリード

高齢化はグローバルに進行しています。現在確実な未来予測は二つで、一つは地球温暖化でもう一つは高齢化と言われます。図表は先進主要諸国の65歳以上人口の割合、すなわち高齢化率ですが、1950~2050年の100年間の変化で世界中が高齢化をして行きます。開発途上国およびアジア諸国がこれに続いてくるのでまさにそうなります。そのなかで日本は、2000年をターニングポイントとして、下のほうから上のほうへ突き抜けて行くような特異なカーブを描いています。

図表:主要国の65歳以上人口割合:1950〜2050年

つまり、2000年以前、日本は他の国より高齢化率の低い国、すなわち若い国・若者の国でそこに花開いたのが「若者文化」でした。それが2000年以降他の国を抜いてどんどん高齢化率が高まっています。それは超高齢社会として諸外国の先行指標となり、その意味で日本は世界から注目されています。暗い超高齢社会になれば世界の反面教師になります。反対に日本に「若者とともにある新しい大人文化社会」が生まれれば、それはまさに世界をリードする日本となります。

「日本はもう一度世界をリードできる」。これはP.F.ドラッカー教授が天寿を全うされる前に遺言のように言われた言葉です。それは日本が世界に先駆けて高齢化するからだ、とされました。日本に世界のモデルになるような社会が到来すれぱ、それは世界をリードできるのです。

ドラッカー教授の提言

P.F.ドラッカー教授が最後のほうで語られたのは「企業と社会のインターフェース」です。まさに、現在のSDGsやESG投資を予見するようなことを言われました。なぜ、日本がリードできるかといえば、日本には定年制があるからだと多少異なことを言われました。そのことによって大量の団塊世代がリタイアする。その人たちが社会的なことに従事しナレッジワーカーになれば、それは世界をリードする日本になると言われたのです。
それはある程度実現されている、ということがいえます。地域で活動する団塊世代やエルダーボランティアなどをしている団塊世代が少なからずいます。その活動がもう少し顕在化させ、見える化させることも重要なことといえるでしょう。

“Stay Young”と“Young at heart”が世界をリード

グローバルな調査を以前実施したことがあります。アジア・ヨーロッパ・アメリカでエルダー雑誌を収集して、そのなかから共通項を導き出しました。その結果、二つのワードが浮かび上がりました。それが
-“Stay Young”
-“Young at heart”
の二つの言葉でした。この二つは世界共通に目標とされているといえます。その意味では、日本の50+世代が生活者としては生涯現役の「生涯生活現役」であり、精神的には「若々しく」あろうとする現在の生活者のあり方は、世界をリードする可能性を十分に持つといえます。さらにそこに「若者とともにある新しい大人文化」が花開けば、まさに「世界をリードする日本」になるといえるでしょう。