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団塊から恋愛婚世代へ

高齢者像を大きく変える団塊世代/「友達夫婦・友達家族」も団塊から

イメージ:団塊から恋愛婚世代へ

団塊世代から高齢者も大きく変わる

これまで高齢者は社会的弱者・受益者が主であり、子供世代からいたわられる存在でした。現在でも80代以上はそうだといえます。一般的にイメージされる従来型高齢者です。いわゆるシニア・高齢者像というのは、こうした従来型高齢者のイメージから来ているといえます。
しかしながら、団塊世代からは大きく高齢者像が変わろうとしています。その違いは生活者としては生涯現役の「生涯現役生活者」ということです。

この団塊世代は、1947(昭和22)年~1949(昭和24)年の3年間に生まれた人たちが真正団塊世代で約700万人、そして1951(昭和26)年までの5年間に生まれた人たちが広義の団塊世代で約1000万人です。2019年の新生児が86.5万人です。
3年をかけても259.5万人ですから2.7倍と3倍近く、5年をかけても432.5万人ですから2倍以上いるわけで、いかに人口が多いかがおわかり頂けるでしょう。この数の力で若者文化をはじめ日本の社会を大きく変えて来ました

さらに、プレ団塊世代には若者のときに団塊世代をリードした人たちがいてその世代から大きく変わろうとしているといえます。その決定的な要因は、見合い婚と恋愛婚の比率の逆転です。

図表:恋愛婚世代→見合い婚世代

団塊世代で「見合い結婚」と「恋愛結婚」が逆転

1970年代の初め、現在70代前半の団塊世代が結婚を始めた頃にわが国の「見合い結婚」と「恋愛結婚」の比率が逆転しました。そのことによってそれまでの社会通念も大きく変わることになりました。それまでわが国に強く残っていた封建的な社会常識、すなわち妻は夫に従うべしという「夫唱婦随」、あるいは「離婚は恥、世間体が悪い」というような考え方です。これは団塊以前の世代の社会、すなわち1970年代の初め頃までの日本の社会では色濃く残っていました。

ところが団塊世代から恋愛結婚が主流になるとともに、こうした感覚がどんどん薄れて行き、かわって「ニューファミリー」と呼ばれて「友達夫婦・友達家族」が誕生しました。現在ミニバンは乗用車の主流となっていますが、その最初の本格的な乗用ワゴン車が登場したのも団塊世代がニューファミリーを持ったときです。団塊世代は、家族をワゴン車に乗せて河原でキャンプをするということをしました。団塊世代以降にももちろん違いはありますが、基本的には「友達夫婦・友達家族」のバリエーションといえるでしょう。

団塊世代からバブル世代が高齢社会を変える

「団塊世代」、「ポスト団塊世代(ポパイJJ世代)」、「新人類」、「バブル世代」、この世代の特性は、全て「右肩上がり世代」ということです。今日より明日、明日より明後日がよくなかった世代です。そして全て若者のときに「トレンドセッター」と呼ばれました。つまり、社会・文化の新しい流れを常に創り出す当事者であったということです。

これは「さとり世代」以降と大きく異なります。さとり世代は初めて流行を生み出さなくなった若者です。そのかわりに、デジタルネイティブであり、シェアリングエコノミーを生み出すというより構造的な変化をもたらしています。

この団塊世代からバブル世代までが生涯現役生活者として従来型高齢者観とはかなり異なる高齢世代になりそうだということがいえます。

各世代を簡単に紹介します。詳しくは拙著「世代論の教科書」(東洋経済新報社)をご覧ください。

プレ団塊世代(キネマ世代)/1942(昭和17)~46(昭和21)年:78-73歳

戦後の混乱期を経てわが国が高度成長期に入り、東京タワーが出来た頃に若者になった世代です。日活青春映画があり、吉永小百合、石原裕次郎、小林旭が代表的なスターです。プレスリーをはじめとするアメリカンポップスが入って来てロカビリーが流行りました。若者文化の先駆けをつくった世代といえます。

団塊世代/真正団塊世代1947(昭和22)~49(昭和24)年:74-71歳・広義の団塊世代1947(昭和22)~51(昭和26)年:74-69歳

わが国の本格的な若者文化を創った世代です。いまでは当たり前になっていますが、それまでは影も形もなかった男の長髪・ジーンズ・ミニスカートを初めて流行らせ、こうしたファッションを若者のものにした世代です。ビートルズ・ローリングストーンズなどの洋楽を自分たちのものにし、グループサウンズブーム、フォークブームを起こし、現在のJ-POPの源流をつくったといえるでしょう。創刊されたばかりのアンアン・ノンノを最初に支持し、それまで主婦誌しかなかったところに初めて登場した女性誌を支持してその流れをつくった世代ということもいえます。

ポスト団塊世代(ポパイJJ世代)/1952(昭和27)~60(昭和35)年:69-60歳

シラケ世代などとも呼ばれますが、それは団塊世代の激しい学園紛争の反動でそう呼ばれためです。当人たちはそういう団塊世代を醒めた目で見てはいてもシラケていたわけではありません。むしろ、紛争後のキャンパスを「楽園キャンパス」にしたのがこの世代です。女子の短大進学率も飛躍的に伸び、4年制大学とも交流してテニス同好会はじめサークル活動が盛んとなり、団塊以前の世代では最高学府だった大学を彼氏と彼女を見つけるところに変えてしまったのがこの世代です。ポパイとJJが創刊され、若者のわが国オリジナルなファッションを生み出しました。若者がドライブに行くようになり、サザン・ユーミンを聴きながらドライブデートをした世代です。

新人類/1961(昭和27)~65(昭和35)年:60-55歳

バブル景気のときにヤングサラリーマン・OLとしてそれを中心的に担ったのが新人類です。「楽しいことが一番」という感覚があり、デートのときに高級レストランに行くとか、高級セダンや外国車を若者が乗り回すということが当たり前のようにありました。ヘリコプターでデートというようなことも話題になりました。オタクが登場しサブカルとしていまのアニメ文化の元となるものをつくったのもこの世代といえます。

バブル世代/1966(昭和27)~70(昭和35)年:55-50歳

広い意味では新人類に包括されます。就職活動の前後がバブル景気で、企業のほうがご馳走をしてくれたというような話もありました。そのために、万能感を持っているといえ、うまく発揮されるとスマートに仕事ができる人になるのですが、そうでないと実力とのギャップに悩んだり、周りがつい行けないということも起こります。

高齢社会を新しい大人社会に変える団塊以降の世代

こうした団塊以降の世代が高齢社会を大きく変えて行きつつある、といえます。まさに、「シニア」でなく「新しい大人」ということを体現しているのがこの世代だといえます。筆者はちょうど団塊世代とポスト団塊世代(ポパイJJ世代)の間に位置しており、両方の世代に知人や友人が多いのですが、同窓会に行っても、若者の頃と意外に変わらないことに驚かされることがしばしばあります。団塊以前の親世代が持つ旧来型日本社会の通念とは大きく異なる感覚を持っている。多かれ少なかれ「友達夫婦・友達家族」のままということがいえます。

そして、別項で述べている多くの事柄、例えば「人生下り坂」感から「人生これから」感とか、「成熟」とよばれて嬉しいのではなく「若々しい・自然体・センスがいい」がほめ言葉になる、などを多かれ少なかれ体現している、といえます。とくに団塊世代から新人類・バブル世代までは右肩上がり世代であり、その人口ボリュームと相まって、「高齢社会」を「人生100年時代」へ、そして「新しい大人社会」へと変えて行く原動力になると思われるわけです。