2025/2026年人口構造激変
2025/2026年に団塊と団塊ジュニアという二大人口ボリュームゾーンが50代以上に/経済回復に大きなインパクト・若者の雇用や給与増にも貢献
2025/2026年、団塊と団塊ジュニアという二大人口ボリュームゾーンが50代以上になり、人口構造が激変 経済回復はインバウンドを凌駕し、若者の雇用・給与増にも貢献する新しい大人世代の旅行観光・飲食消費から
新しい大人世代が主流となる人口構造の社会へ
2025年、50代以上人口が全人口の50.3%に、そして2026年に50.7%となり、遂に全人口の半数を超えました。(総務省統計局人口推計2025年1月および12月より算出)15歳以上人口のなかでは、56.9%となります。団塊ジュニア世代は一般に1971年から1974年に生まれた世代で、ちょうど、その全てが50代になったと同時にこのような人口割合となりました。まさに、団塊世代と団塊ジュニア世代というわが国の二大人口ボリュームゾーンが全て50代以上となりました。
それは従来のように単に高齢層が増えて行くということにはなりません。なぜなら、団塊世代と団塊ジュニア世代から意識が「新しい大人」へと大きく変化しているからです。「大人世代と若者世代の交流・協力」「大人世代の若の世代への応援」が望ましいと思う世代であり、クロスジェネレーションの始まる可能性が大きくあります。(当サイト「少子高齢社会活性化のカギ クロスジェネレーション」参照)

これは2025/2026年だけの一時的な変化というわけではなく、今後ほぼ永久に続いて行きます。すなわち、残念ながら二度とふたたびわが国が若者社会に戻ることはない、ということです。上のグラフは、50歳を基準に人口構造を書き直したグラフで、1920年から2110年という約200年の変化を示しており、これを見て頂ければ、そのことは一目瞭然といえます。
若者社会に戻ることはないイコール若者の未来がないのかといえば決してそのようなことはなく、むしろ全く逆だといえます。すなわち、上記のクロスジェネレーションによって大人世代が若者世代を支えるというかつてない社会が始まる可能性があります。従来はややもすると若者が大量にいたことにより、たしかに若者文化が主流になった一方で、若者使い捨て、若者へのパワハラ常態化という面もあったとすれば、それとは全く逆のことが起こる可能性があります。
そうであれば、その新しい社会をどう創っていくのかを一刻も早く考えて行かなければなりません。とくに、これまで、このような人口構造の社会は誰も経験したことがないだけに、まさに未知への挑戦となります。これはAIなどのデジタルの進化と平行して起こり、 AIなどのデジタルの進化とほぼ同様のインパクトを社会全体にもたらすことです。
ここでひとつ大きなポイントがあります。それは、いままで一般的には高齢社会ととらえられて来たために、消費が低減し、社会保障費だけが増大するというイメージです。しかしながら、これからの新しい大人世代はそこを大きく変えて行き、その消費は若者の応援に向かう可能性もあります。まず当面の経済回復に大きなインパクトをもたらす可能性があり、それを順を追ってみていきます。
インバウンド消費額9.5兆円超が年頭のニュースになったが、日本人50代以上(50+)で旅行消費額は11.4兆円
昨年から円安と相まってインバウンド観光客が目立ちます。旅行消費額が2024年に8兆円、2025年には9.5兆円(2026年1月20日国土交通相の発表)となり、インバウンドが日本経済のけん引役とまで言われています。
しかしながら、コロナ前の2019年の国内旅行消費額のうち、日本人の50代以上だけで10.3兆円(推計)ありました。さらに直近で算出可能な2024年には11.4兆円(推計)に達し、インバウンド消費を凌駕しています。
また、国内の年代別旅行消費のうち、50代未満は、若者旅行、30代女子旅行、家族旅行とニーズも形態も様々であるのに対し、43.7%(2024年年代別旅行消費額)を占める50代以上(50+)は家族旅行を卒業し、基本は「仲間旅」「夫婦二人旅」で、これに「ひとり旅」「3世代旅」「母娘旅」が加わるということで年代による多少のニーズの変化はあっても形態は変わりません。
2024年旅行消費額(観光庁)
年代別旅行消費額

2019年(コロナ前)旅行消費額(観光庁)

新しい大人世代がそこで働く「若者」や「女性」にプラスなるのであれば旅行観光・飲食したいは71.6%
さらに、そこで働く「若者」や「女性」にプラスになるのであれば、「旅行観光」や「飲食」をしようと思う割合は40-70代で71.6%と半数を超え、ここでも70代と女性がやや高いといえます。「若者」や「女性」のために旅行観光しましょう、と呼びかけることが新しい大人世代の「旅行観光」や「飲食」の後押しになるのです。

50代以上は「平日・オフシーズン」旅行で「若者・女性の雇用・給与増」に貢献
前述のように、国内観光客のなかで、50代以上の新しい大人世代は、43.7%を占めています。 金額で11.4兆円(推計)です。さらに重要なことは時間がある程度自由になるために「平日・オフシーズン旅行」に行くということです。つまり、現在、旅行観光関連業種、とりわけ旅館やホテルなどで人手不足がいわれます。それはコロナ離職が戻らないということもありますが、そもそも、平日・オフシーズンという波があるために、正社員が雇用し難いという問題があります。とりわけ、若者の失業率の高さがつとにいわれる沖縄はそうだ、といわれます。つまり、旅行観光関連業種の平日・オフシーズンの需要の平準化は、ビジネスの安定化と若者の雇用・給与増にとってきわめて重要だといえます。

わが国の個人金融資産は2200兆円を超え、これを経済回復に活かすとき
昨年12月の日銀の発表で2286兆円と、わが国の個人金融資産は2200兆円を超えています。この個人金融資産はこれまでも経済活性化に活かすべきではないか、という議論がなされて来ましたが、残念ながら活かされないまま終わっています。そして、政府の資料でも、この個人金融資産の8割は50代以上が持っているとされます。コロナ後は、インバウンドもさることながら、この眠っているかに見える2200兆円を活かして旅行観光消費をはじめとして、日本の経済を大きく回復をすべきときだ、と思われます。
従来、20代・30代人口が中心だったときにはフロー(現役)からフロー(現役)へとおカネが回っていましたが、これからは、50代以上が人口ボリュームゾーンになります。そのときにはストック(含リタイア層)からフロー(現役)へとおカネが回って行く仕組みをつくらないと経済は回らないと言えます。これは「これからの経済」だということもできます。

新しいくらしを創ろう
新しい大人のライフスタイル
旅行のみならず、生活全体についても、50+中高年の新しい大人世代においては「これから自分なりのライフスタイルを創っていきたい」という割合が8割に達しています。(「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」拙著日経新聞社P.316) 従来は、50代以降は余生であり、終わった人として静かな老後の暮らしをし、介護に備えていくということでしたが、現在は、180度転換しつつあります。前述の旅行消費も全体のなかで大きなボリュームを占めています。また、2019年9月に創刊された初の60代向け女性ファッション誌「素敵なあの人」は創刊から3号連続完売、コロナ下で1.5倍の売上増でした。また50代以上女性生活情報誌の「ハルメク」は、48万部に達し、女性誌の発行部数でNo.1と言われています。40代から徐々にファミリーを卒業して行く大人世代が日本にこれまでなかった「新しい大人のライフスタイル」を創ろうとしています。この「新しい大人のライフスタイル」がこれから期待されます。新しい年大人世代を中心に、子供家族および若者とも連携しつつ、これからの「新しい大人のライフスタイル」が創られていきます。